【玄米の炊き方】調理器具別の美味しい炊き方も解説｜よくある失敗

「玄米を炊いてみたけれど、硬くておいしくなかった」
「炊飯器以外の調理器具でも上手に炊けるの？」

本記事を読んでいる方の中には、上記の疑問を抱えている方もいるはずです。

玄米は白米と異なり、糠（ぬか）層に覆われているため、ただ炊くだけではポソポソとした食感になりがちです。しかし、正しい手順で炊くことで、プチプチとした食感と豊かな風味を楽しめるようになります。

今回は、玄米の基本的な炊き方から調理器具別のコツ、失敗したときの対処法までを網羅的に解説します。

おいしい炊き方をマスターして、毎日の食卓をより豊かにしましょう。

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玄米の炊き方【至福の玄米炊飯レシピ】

まずは、基本となる玄米の炊き方をご紹介します。玄米をおいしく炊き上げるためには、以下4つの工程を丁寧に行うことが重要です。

1. 玄米の計量と洗米：正確に量り、丁寧に洗う

2. 浸漬：じっくり浸漬させ、旨味を引き出す

3. 炊飯：炊飯後に蒸らすのが大切

4. ほぐし：ふっくらほぐす

各工程には、玄米ならではの押さえておくべきポイントが存在します。一つひとつ確認していきましょう。

1. 玄米の計量と洗米：正確に量り、丁寧に洗う

最初のステップは玄米を正確に計量し、丁寧に洗うことです。

計量カップを使い、すりきりで一杯を正確に量ります。量がずれてしまうと、水加減が変わってしまい、炊き上がりの食感が変わってしまいます。

洗米の際はボウルに水をためて、玄米を泳がせるようにさっと洗いましょう。一度目の水はすぐに捨て、汚れやホコリを取り除きます。その後、手のひらで玄米を優しく拝み洗いしましょう。

玄米の表面に傷をつけるようなイメージでこすり合わせると、水分の吸収がよくなり、ふっくらと炊き上がります。ただし、力を入れすぎると粒が割れてしまう可能性があるため、力加減には注意が必要です。

2. 浸漬：じっくり浸漬させ、旨味を引き出す

洗米が終わったら、玄米を水に浸す「浸漬（しんせき）」の工程に移ります。

玄米は白米に比べて吸水しにくいため、十分な時間をかけて芯まで水を浸透させる必要があります。夏場であれば6時間以上、冬場であれば12時間以上を目安に浸漬させましょう。

じっくりと水を吸わせることで、炊き上がりがふっくらとし、玄米特有の甘みや旨味が引き出されます。

また、浸漬の際に塩をひとつまみ加えるのもおすすめです。塩には玄米独特の苦味を抑える効果があり、さらに水の吸収を助ける働きもあります。おいしい玄米ごはんを作るために、焦らず時間をかけて準備をしましょう。

3. 炊飯：炊飯後に蒸らすのが大切

浸漬が完了したら、いよいよ炊飯です。

炊飯器を使用する場合は、「玄米モード」を選択して炊飯します。玄米モードがない場合は、水の量を白米よりも多めに調整し、通常の炊飯モードで炊きましょう。

炊き上がったら、すぐに蓋を開けずに10分から15分ほど蒸らします。蒸らしの時間は、お米の芯まで水分を行き渡らせるために欠かせません。蒸らすことで余分な水分が飛び、一粒一粒が立ったおいしいご飯に仕上がります。

すぐに食べたい気持ちになってしまうのは仕方がありませんが、小さなひと手間が仕上がりを大きく左右するため、少しの間待ちましょう。

4.ほぐし：ふっくらほぐす

蒸らし終わったら、最後にご飯をほぐします。

しゃもじを釜の底から入れ、全体をひっくり返すようにして空気を含ませながら混ぜ合わせましょう。余分な水蒸気を逃がすことで、ベチャッとなるのを防ぎ、ふっくらとした食感を保てます。

また、お米の表面につやが出て、見た目もおいしそうに仕上がります。釜の底におこげができている場合は、香ばしい香りも楽しめるでしょう。

以上が玄米の基本的な炊き方です。手順をしっかり守れば、誰でもおいしい玄米を味わえます。次は、使用する調理器具ごとの特徴やコツを見ていきましょう。

【調理器具別】発芽玄米の炊き方

玄米は炊飯器以外にも、さまざまな調理器具で炊けます。

器具によって熱の伝わり方や圧のかかり方が異なるため、仕上がりの食感や風味にも違いが生まれます。ここでは、以下の4つの調理器具を使った炊き方を紹介するので参考にしてください。

• IH炊飯機での美味しい炊き方

• 圧力鍋での美味しい炊き方

• 土鍋での美味しい炊き方

• 鍋での美味しい炊き方

それぞれの特徴を理解し、自分の好みに合った炊き方を見つけてみましょう。

IH炊飯機での美味しい炊き方

IH炊飯器を使えば、火加減の調整がいらず、スイッチひとつでふっくらとした玄米が炊き上がります。最新の機種には「玄米モード」が搭載されていることが多く、これを利用するのが手軽で失敗の少ない方法です。

発芽玄米3合（450g）を炊く場合の具体的な手順を紹介します。まず、炊飯器の釜に玄米と水900g、そして自然海塩1.2gを入れます。

おいしく炊くための重要なポイントは、そのままスイッチを押すのではなく、3時間から6時間ほどしっかりと浸漬させることです。

発芽玄米の場合は浸漬なしでも炊けますが、浸漬させるとよりふっくらと炊き上がります。

準備ができたら、炊飯器のメニューから「玄米設定」を選んで炊飯を開始します。機種によって異なりますが、炊き上がりまでの時間は81分程度が目安です。炊飯が終わったら、釜の底からひっくり返すように混ぜる「天地返し」を行い、余分な水分を飛ばしながら保温しましょう。

また、玄米の食感が苦手な方は、白米と混ぜて炊くのも一つの方法です。例えば「玄米2：白米1」の割合なら、玄米300g・白米150gに対して水880g、塩0.8gを加えます。さらに食べやすい「玄米1：白米2」の割合なら、玄米150g・白米300gに対して水730g、塩0.4gが適量です。好みに合わせて比率を調整し、自分だけの黄金比を見つけてみてください。

圧力鍋での美味しい炊き方

もちもちとした弾力のある食感を好む方には、圧力鍋での炊飯がおすすめです。高温高圧で一気に炊き上げるため、短時間で玄米の甘みを引き出せます。

今回は、発芽玄米3合（450g）を炊く手順を紹介します。まず、圧力鍋に玄米と水900g、自然海塩1.2gを入れます。そのまま3時間から6時間ほど浸漬させ、じっくりと水を吸わせましょう。

浸漬が終わったら、蓋をして強火にかけます。7分ほどで圧力がかかり始め、「シュシュ」と蒸気の音がし始めたら、そのまま強火で5分間加熱を続けます。その後、弱火にして20分間炊き上げてください。

最後に火を止め、10分間蒸らします。炊き上がり直後は水分が多めですが、蒸らすことでお米全体に水分がなじみ、ふっくらとおいしく仕上がります。蓋を開けて全体をほぐし、保温ジャーへ移せば完成です。

土鍋での美味しい炊き方

土鍋を使って直火で炊き上げる玄米は、遠赤外線効果によって芯までふっくらとし、香ばしい風味や玄米本来の甘みを感じられます。また、「おこげ」を楽しめるのは土鍋ならではの醍醐味です。ご飯専用の土鍋でなくとも、一般的な土鍋で十分においしく炊き上げられます。

発芽玄米3合（450g）を炊く場合の黄金比は、水990gと自然海塩1.2gです。これらを土鍋に入れ、3時間から6時間ほど浸漬させて下準備を整えます。

炊飯の手順は火加減が重要です。まず蓋の穴を菜箸などで塞ぎ、強火にかけます。6分から7分ほどで沸騰し始めたら、さらに2分間強火をキープしてください。蓋がガタガタと鳴り始めたら中火に落とし、7分間加熱します。音が静かになってきたら極弱火にし、さらに30分間じっくりと火を通します。

仕上げに、余分な水分を飛ばして香ばしいおこげを作るため、一瞬だけ強火にします。パチパチと音が聞こえたら火を止め、10分間蒸らしましょう。蒸らし時間によって水分が均一になじみ、ふっくらとした極上の玄米ご飯が完成します。

鍋での美味しい炊き方

専用の炊飯器がなくても、ご家庭にある普通の鍋で玄米をおいしく炊く方法があります。それは、秋田県に伝わる伝統的な調理法「びっくり炊き」です。

びっくり炊きの特徴は、事前の浸漬時間が不要であることと、炊いている途中に差し水（びっくり水）を行う点です。思い立ったらすぐに炊けるため、忙しい方にもおすすめです。

まず、玄米1合に対して水270ccと塩ひとつまみを鍋に入れ、蓋をして強火で20分ほど加熱します。鍋の中からパチパチと音が聞こえてきたら、水90ccを加えて底からざっくりとかき混ぜます。さらに、もう一度水90ccを加えましょう。

その後、再び強火で加熱し、沸騰したら弱火にして15分から20分炊き上げます。火を止めて10分ほど蒸らせば完成です。途中で水を加えて急激な温度変化を与えることで、玄米の皮が弾け、吸水の手間をかけなくてもふっくらと柔らかい食感に仕上がります。

浸漬なしでもおいしく炊ける理由や、より詳しい調理手順を知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。時短で玄米を楽しみたい方にとって、役立つ情報が満載です。

関連記事：玄米は浸漬（浸水）なしでも炊ける？必要な理由、調理法や美味しい炊き方を紹介

玄米の炊き方でよくある失敗と対処法4選

初めて玄米を炊くときは、失敗してしまうことも珍しくありません。

しかし、原因を知っておけば、万が一失敗してもリカバリーが可能です。ここでは、よくある4つの失敗例とその対処法を紹介します。

• 硬い・芯が残る場合の対処法

• パサパサになる場合の対処法

• べちゃべちゃになったときの対処法

• 臭いを軽減する方法

それぞれの解決策を見ていきましょう。

硬い・芯が残る場合の対処法

炊き上がった玄米に芯が残って硬いと感じる場合、主な原因として考えられるのは「浸漬時間の不足」「水量の不足」あるいは「白米モードで炊いてしまったこと」です。玄米は吸水に時間がかかるため、各工程が不十分だと芯までふっくらと炊き上がりません。

しかし、失敗してしまったとしても、まだリカバリーは可能です。

対処法として、まず炊き上がった玄米をしゃもじで底から軽くかき混ぜます。そして、玄米2合に対して大さじ1杯程度の水を全体に回しかけて追加してください。その後、炊飯器の再炊飯スイッチを押すか、保温状態で10分から15分程度蒸らし時間を取ることで、水分が芯まで行き渡り、食べやすい硬さに改善されます。

玄米が硬くなってしまう原因や、失敗しないためのコツをより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。プロが教える秘訣を知ることで、毎回安定しておいしい玄米が炊けるようになります。

関連記事：玄米が硬くなってしまう原因を徹底解説！美味しく炊き上げるコツも紹介

パサパサになる場合の対処法

玄米がパサパサしておいしくないときは、浸漬時間が短すぎたか、水加減が不足していた可能性があります。

パサパサになってしまった場合は、電子レンジを使って水分を補いましょう。耐熱容器にご飯を移し、水を少量振りかけます。ふんわりとラップをかけて加熱すると、蒸気がお米に行き渡り、水分が戻って食感が改善されます。

次回からは、浸漬時間を長めに設定するか、水を少し多めに入れるように意識すると、ふっくらと炊き上げられるでしょう。自分の好みに合う水加減を見つけるのも、玄米生活を楽しむコツです。

べちゃべちゃになったときの対処法

水分が多くてべちゃべちゃになってしまうのは、水の量が多すぎたり、浸漬時間が長すぎたりしたことが原因です。

対処法は、余分な水分を飛ばすことが有効です。炊飯器の蓋を開けたまま、5分から10分ほど置いておくと、蒸気とともに水分が逃げ、食感が改善されることがあります。

または、平らな皿にご飯を広げ、ラップをかけずに電子レンジで加熱する方法もあります。加熱しすぎると硬くなってしまうため、様子を見ながら調整してください。リゾットや雑炊にアレンジして食べるのも一つの手です。

臭いを軽減する方法

玄米特有の臭いが苦手な方もいるかもしれません。臭いの原因は、糠（ぬか）層の酸化や、浸漬中に雑菌が繁殖して発酵してしまったことが考えられます。

臭いを防ぐためには、洗米の際にお米同士をこすり合わせるように強めに洗い、汚れをしっかり落とすことが大切です。また、浸漬時間を長くする場合は、こまめに水を交換して清潔に保ちましょう。

炊くときに塩をひとつまみ入れたり、ヨーグルトを小さじ2杯程度加えたりするのも効果的です。小さな工夫で臭みが軽減され、食べやすくなります。

炊き方以外で玄米を食べやすくする工夫2選

炊き方を工夫しても、どうしても玄米の食感や風味が苦手だと感じる場合もあるでしょう。

そんなときは、食べ方そのものをアレンジしてみるのがおすすめです。無理をして食べるのではなく、おいしく続けるための工夫を2つ紹介します。

• 料理に合わせてアレンジする
• 白米とブレンドする

上記の工夫を加えると、毎日玄米を食べ続けるモチベーションにもつながります。では、それぞれの工夫を詳しく見ていきましょう。

料理に合わせてアレンジする

玄米は、さまざまな料理にアレンジすると、独特の食感や風味が気にならなくなり、よりおいしく食べられます。玄米はプチプチとした食感と香ばしい風味が特徴ですが、そのままだと単調に感じるかもしれません。

そこで、リゾットやチャーハン、カレーなどに加えると、玄米のプチプチとした食感がアクセントになり、食べやすくなります。

楽しく玄米を摂り続けるために、ぜひいろいろなアレンジに挑戦してみてください。

玄米を食べやすくするための5つの方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。おすすめのレシピや炊き方を解説しています。
関連記事：玄米を食べやすくするための5つの方法とは？おすすめのレシピや炊き方を解説

白米とブレンドする

玄米の食感や風味がどうしても苦手な方は、白米とブレンドして炊くのもおすすめです。白米のモチモチとした食感と甘みが、玄米の独特の食感や風味を和らげてくれるため、玄米初心者の方でも食べやすくなります。

最初は白米の割合を多めにして、徐々に玄米の割合を増やしてみてください。白米とブレンドすると、玄米の栄養価を損なわずに、無理なく食生活に取り入れられます。

玄米と白米を混ぜる3つのメリットについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。注意すべきポイントやおいしく食べる方法を紹介しています。
関連記事：玄米と白米を混ぜる3つのメリットとは？注意すべきポイントや美味しく食べる方法

玄米の炊き方に関するよくある質問

最後に、玄米の炊き方でよく寄せられる質問にお答えします。疑問を解消して、安心して玄米生活をスタートさせましょう。ここでは以下の4つの質問を取り上げます。

• 玄米は浸漬せずに炊いても大丈夫ですか？
• 玄米の冷凍保存はできますか？
• 一人暮らし・少量でも美味しく炊く方法はありますか？
• 玄米と白米を混ぜて炊くときのおすすめの割合はどのくらいですか？

それぞれ回答していきます。

玄米は浸漬せずに炊いても大丈夫ですか？

玄米を浸漬せずに炊くと、お米が十分に水分を吸収できず、芯が残った硬い炊き上がりになりやすいです。玄米をおいしく炊き上げるためには、浸漬は重要な工程です。

ただし、炊飯の途中で冷たい水を足す「びっくり炊き」を活用すれば、浸漬なしでも玄米をふっくらと炊き上げられます。

玄米の冷凍保存はできますか？

炊いた玄米は冷凍保存が可能です。炊き上がり後すぐに粗熱を取り、小分けして密封し速やかに冷凍する方法がおすすめです。長時間の保温は脂質の酸化を進めやすいため、早めの冷凍で玄米の風味を保てます。

解凍は電子レンジで加熱してほぐし、必要なら水を少し足すとふっくら感を補えます。上手に冷凍保存を活用することで、おいしい玄米をいつでも食べられます。

玄米の効果的な冷凍方法や期間、1段階おいしくなる解凍方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事：玄米は冷凍保存できるの？効果的な冷凍方法や期間、1段階おいしくなる解凍方法を解説

一人暮らし・少量でも美味しく炊く方法はありますか？

一人暮らしで1合だけ炊きたい場合でも、基本の水加減と浸漬時間を守ればおいしく炊けます。

ただし、炊飯器のサイズに対して量が少なすぎると、うまく対流が起きず炊きムラができることがあります。うまく炊けない場合は、小さめの鍋や土鍋を使用すると、熱が均一に伝わりふっくらと炊き上がります。

また、週末にまとめて炊いておき、小分けにして冷凍保存するのも効率的でおすすめです。

玄米と白米を混ぜて炊くときのおすすめの割合はどのくらいですか？

玄米初心者に特におすすめなのは、「玄米1：白米5」程度の割合から始めることです。1:5の割合なら白米に近い感覚で食べられ、違和感が少ないはずです。

慣れてきたら「玄米1：白米2」に変え、さらに「1：1」や「2：1」へと、徐々に玄米の比率を高めていくとよいでしょう。

無理なく続けるためには、自分自身がおいしいと感じる「黄金比」を見つけることが大切です。いろいろな割合を試して楽しんでみてください。

全国各地の玄米を食べ比べするなら「mybrown」がおすすめ！

玄米は、産地や品種によって風味や食感が大きく異なります。さまざまな玄米を食べ比べて、自分にぴったりの品種を見つけるのも玄米を楽しむ方法の一つです。

また、玄米は栄養価が高い一方で、玄米は白米よりも硬いため、適切な炊き方をしないとおいしく食べられません。

おいしく玄米を炊くためには、浸漬時間をしっかりとるのが重要です。玄米は白米よりも水を吸収しにくいため、十分に浸漬させるとふっくらと炊き上がります。

さらに、少量の塩を加えると、玄米特有のえぐみを抑え、よりおいしく食べられるので、ぜひ取り入れてみましょう。

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